京都大学霊長類研究所 >ニホンザル野外観察施設・研究内容 >研究保護区
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下北半島は北限のサル生息地であり、ブナ・ヒバ混交林という東北日本でも特異な植生をもつ地域です。ここでは、広大な行動域をもった自然群の研究が複数の研究グループによって継続されています。
長野県上信越地域はブナ林に特徴づけられる日本海型気候の豪雪地帯です。研究林は下高井郡および下水内群雑魚川左岸および魚野川流域の国有林にあり、ニホンザルをはじめとしてニホンカモシカ、ツキノワグマ、キツネ、テンなどほかの中・大型哺乳類も生息しています。この地方では1962年から、複数の群れを対象として継続的に調査が行なわれてきました。とくに隣接する山の内町にある地獄谷野猿公苑では、長期的な資料にもとづく調査が続けられています。
木曽研究林は、中部山岳地帯の温帯林から亜高山帯までを含む中央アルプス東麓に設定されています。地域内の個体群の動態とともに、猿害対策法や集団捕獲のもたらす影響などが調べられています。
幸島は、回りを海に囲まれ照葉樹林で覆われた約30haの小島です。ここでは1947年にニホンザルの調査が行なわれて以来、継続してさまざまな研究が行なわれてきました。1968年に対岸に観察所が設立されてからは、移出入や死亡・出産、体重変化などの基礎的な資料が蓄積されてきました。また、数年間隔で実施される捕獲調査では、採血、身体計測、エコーによる妊娠診断などが実施され、遺伝学や生理学、形態学などの資料も収集されています。
屋久島はニホンザル分布の南限であり、唯一の亜種ヤクニホンザル(Macaca fuscata yakui) が生息しています。海岸の照葉樹林から2,000m近い亜高山帯にまでサルが分布しています。ここは近年では最も活発に野生ニホンザルの研究が行われている地域であり。霊長類以外の生物を対象とした研究もさかんに行なわれています。
屋久島には、研究林で研究活動をする人のための施設があります。ステーションの利用を希望する人は、1週間前までに所定の申請書に必要事項を記入し、下記宛てに郵送またはFAXで送付してください。
なお利用者多数の場合や3ヵ月以上にわたる長期利用の場合は、お断りすることがありますのであらかじめご了承ください。
屋久島研究林で行われた研究や、屋久島観察ステーションを利用して行われた研究発表の一覧を作成しました。今後も業績リストを更新していきたいと思います。屋久島観察ステーションを利用した研究成果が公表されましたら、附属ニホンザル野外観察施設までご一報下さい。
このページの問合せ先:京都大学霊長類研究所 ニホンザル野外観察施設 渡邊邦夫