台湾にもキンシコウがいた!

guaxi_macaques台湾南部の左鎮地域(菜寮渓谷、新化丘陵)の前期〜中期更新世の地層から見つかっていた サルの化石を調査しました。現地の博物館や個人コレクター所蔵の化石標本を詳しく調べてみたところ、現生のタイワンザルM. cyclopis(右写真)の化石の他に、コロブス亜科の化石が含まれていることを発見しました。東アジア各地から見つかっていた化石種と比較検討したところ、キンシコウRhinopithecusの化石(左写真)であることが明らかになりました。guaxi_macaquesどうやら中国大陸から見つかっていた前期更新世の化石種と近縁である可能性が高いようです。現在の台湾にはタイワンザルしか生息していませんが、前期更新世に大陸側からコロブス類とマカク類のサルが侵入してきて、その後更新世後半にコロブス類だけが絶滅してしまったようです。更新世後半の寒冷化と植生の変化がその主要因ではないかと考えられます。

 

 

 

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