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事業報告

事業番号:24-003

個体識別に基づく野生ジャワルトン (Trachypithecus auratus) の社会構造の解明

報告者: 辻 大和

期間: 2012/10/7 - 2012/12/30

 申請者は、平成22年度よりインドネシア・ジャワ島パンガンダラン自然保護区に生息する野生ジャワルトン (Trachypithecus auratus) の生態学的研究を行っている。平成23年度のITP-HOPE事業による前回の調査において、下腹部の模様を写真撮影してリファレンスを作成することにより、一部の個体の識別に成功した。個体情報に基づいた行動観察を実施することにより、これまで不明の部分が多かったコロブス類の社会構造(個体間の社会ネットワーク、順位関係など)が解明できることが期待されるため、隣接する他の群れを含むより多くの個体の識別作業を進め、並行して群れ内の社会的な交渉のデータを収集する必要があった。

2012年10月10日から12月27日までインドネシア・ジャワ島中央部に位置するパンガンダラン自然保護区で野生ジャワルトンの生態学的調査を行った。調査地の北東部に行動圏をもつ2つの群れ(K群、P群)を対象に36日間、計389時間の直接観察を実施して、両群のルトンの採食品目、アクティビティ等の項目を記録した。また、下腹部の模様を写真撮影することにより個体識別を進めた。その結果、K群については新生児を除く全個体、P群については全成獣個体の識別が完了した。行動観察と並行してP群の行動圏内の植生調査、自然保護区内の月二回のフェノロジー調査、植物サンプルの採集などを実施した。

パンガンダラン自然保護区での調査に加えて、インドネシア人研究者・学生との交流も積極的に行った。2010年10月8日にはボゴール農科大学において採食生態学の講義を実施し、翌10月9日には同大付属霊長類研究センターを訪問した。12月17日には同大にて、共同研究者の博士学位審査会に審査員の一人として出席した。


マレーセンザンコウ


Kibacataの若葉を採食するジャワルトン

HOPE Project<>