京都大学霊長類研究所 共同利用研究会
動物園の生物学:
動物園動物を研究対象にするためには
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日時:平成14年2月8日(金)、9日(土)
場所:愛知県犬山市官林 京都大学霊長類研究所大会議室
動物を研究する場としては、まず野外と研究室(実験室)があり、動物園はその中間的な位置にあるといえる。ところが、これまでの日本においては、動物園が研究の場として十分に機能してこなかった。その理由は、研究者側と動物園側の双方に原因があったと考えられる。近年の急激な社会変化にともない動物園の存在意義が問い直されており、その役割として「種の保存」「自然・環境教育」がしばしば挙げられる。こうした役割を確かなものとしていくためにも、研究の場としての働きを充実させることが必要だ。そこで、動物園を研究の場と考えた際の3つの立場、つまり「外部からの研究者」、「動物園管理者」、「動物園の現場」から、研究の場としての実状や問題点を発表してもらい、積極的な利用の方法を検討する。より良い研究の場とすることは、”本来の姿”の動物を展示するということでもある。つまり、こうした姿勢は展示動物の福祉という視点をその基礎にもったものである。
*** プログラム ***
2月8日(金)13:00〜17:00
<研究者からの視点> 司会:友永雅己(京都大学)
13:00
上野吉一(京都大学) 「動物園の役割:現状と将来」
13:50
武田庄平(東京農工大学) 「行動研究の場としての日本の動物園:類人猿研究を中心として」
14:40 村山
司(東海大学) 「イルカ類の感覚と行動に関する研究:飼育下でできること・できないこと,わかったこと・わからなかったこと」
休憩 15:30 - 15:45
15:45
幸島司郎(東工大学) 「動物園・水族館での動物行動研究:サル、イルカ、サイ、マメジカの事例から」
16:25
佐藤衆介(東北大学) 「飼育動物の環境エンリッチメント研究における動物園の役割」
18:00〜 懇親会

2月9日(土)9:30〜17:00
<現場(飼育員/研究員)の視点> 司会:鈴木樹理(京都大学)
9:30
森村成樹(林原自然科学博物館) 「博物館における研究・教育活動と動物福祉を基盤とした動物飼育」
10:20
原田勉(天王寺動植物公園) 「動物園における研究の受入れと、その問題点について」
11:10
椎原春一(長崎鼻パーキングガーデン) 「地方の民営小動物園で行う研究活動」

昼食 12:00〜13:00
<管理者の視点> 司会:上野吉一(京都大学)
13:00
福本幸夫(広島安佐動物園) 「日本動物園水族館協会種保存委員会技術部会としての要望」
13:50
権藤眞禎(王子動物園動物科学資料館) 「動物園における共同研究に問題はあるか」
14:40
北村健一(札幌円山動物園) 「研究施設としての可能性と問題点:円山動物園の場合」
15:30
内田至(名古屋港水族館) 「研究の場としての日本の水族館−外部の機関または研究者の受け入れ.
その問題点と解決策試案.−」
16:20 総合討論
指定討論者:中島定彦(関西学院大)、浅川満彦(酪農学園大)

問合せ先:〒484−8506 愛知県犬山市官林
上野吉一 okuma@pri.kyoto-u.ac.jp
友永雅己 tomonaga@pri.kyoto-u.ac.jp
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