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3回サガ・シンポジウム

「大型類人猿の研究・飼育・自然保護−現状と未来−」

京都大学霊長類研究所共同利用研究会

                                協賛:文部省COE形成基礎研究費、後援:犬山市

京都大学霊長類研究所共同利用研究会 (http://www.pri.kyoto-u.ac.jp/index-j.html)

期日:2000年11月9日−10日

9日は午前10時より午後7時まで。10日は9時30分より午後6時半まで

場所:フロイデ、犬山駅より徒歩2分、電話0568-61-1000

入場無料・どなたでもいつでも参加できます。事前の登録も不要です。

一般講演、ジェーン・グドール、野生チンパンジーの親と子の絆

11月9日の18:00-19:00の予定(参加無料、日本語の同時通訳があります)


第1日目 11月9日(木)

10:00 開場・受け付け開始、4Fフロイデホール前

本シンポジウムは、9日午前に3つの分科会に分かれて討議した後、全体で聴くセッションが2日間にわたってあり、さらにまた10日の夕方に3つの分科会に分かれて討議する、という形式で進みます。ご関心のある分科会に出席して自由な議論をなさってください。

10:30-12:00 分科会1、飼育と繁殖、座長:松林清明、吉原耕一郎、3F会議室1

10:30-12:00 分科会2、生息と保全、座長:五百部裕、山極寿一、3F会議室2

10:30-12:00 分科会3、福祉と倫理、座長:友永雅己、上野吉一、3F会議室3

12:00-13:00 昼食 (世話役会、3F和室)

 

13:00-1305

開会挨拶:松沢哲郎(霊長類研究所

 

13:05-15:50 全体セッション1、4Fフロイデホール

大型類人猿の新しい飼育施設と繁殖 (座長:松林清明)

 今年になって、15mの高さの塔を備え、植樹もされた、広い屋外運動場をもつチンパンジー舎が、東京の多摩動物公園、札幌の円山動物園、熊本の三和化学霊長類パーク、の3施設でオープンしました。さらにもうひとつが現在計画中です。こうした従来の「景観重視型」展示に対する、新しい「機能重視型」展示の思想を取り入れた施設を紹介します。また今年は、ゴリラやチンパンジーの出産・繁殖をめぐる話題がありました。こうした大型類人猿の飼育にかかわる問題などを考察します。

吉原耕一郎(多摩動物公園)新しい類人猿舎の紹介

北村健一(円山動物園)新しいチンパンジー舎の紹介

小林久雄・上坂博介・早坂郁夫(熊本三和)新しいチンパンジー研究飼育施設の紹介

道家千聡・松林清明、(霊長類研究所)本年出産した三組のチンパンジーにおける周産期の概要

黒鳥英俊(上野動物園)ローランド・ゴリラの出産

篠田謙一(佐賀医科大学)ミトコンドリアDNAの塩基配列を用いたチンパンジーの亜種判定

川端裕人(フリーランス)ニムをめぐって:類人猿と付きあうことの「責任」

指定討論者:竹中修(京大霊長研)

 

15:50-16:00休憩

 

16:00-17:50 ポスター発表、2F多目的研修室

「全員で参加するポスターセッションのみの時間」で、約2時間です。広い意味で大型類人猿にかかわるものであれば、とくに対象種は問いません。研究・飼育・自然保護の広範なトピックスについて、ポスター発表(文章や写真で構成したパネル展示を説明する発表形式)をします。貴重な交流の機会であり、個人と個人のふれあいの中で議論を深めてください。会場の隅に、OHPとビデオの用意があります。

 

18:00-19:00 一般講演、4Fフロイデホール

ジェーン・グドール、野生チンパンジーの親と子の絆

19:00-20:30 懇親会、2F多目的研修室


第2日目 11月10日(金)

 

9:30-12:00 全体セッション2、4Fフロイデホール

類人猿の生息現況と21世紀の保護計画へ向けて:戦争とブッシュミート(座長:五百部裕)

 野生大型類人猿は今、かつてない危機に陥っています。その最大の原因は生息地周辺の政治状況の悪化によって、大規模な森林破壊や密猟が頻発していることです。特に、アフリカの類人猿の現況は深刻で、このままでは近い将来大規模な人為的介入によって野生のポピュレーションを復活させる事態になることも予想されます。その際、類人猿の地域個体群としての遺伝的な固有性、生態学、社会学的特性をどう考えていったらよいのか。研究者の間では種や亜種の分類基準をめぐって未だに論争が続いています。新しい発見や地域的な絶滅によって類人猿の分布地図も刻々と塗り替えられています。こうした状況を再確認し、野生の類人猿を保護するためにいかなる方策が可能か。今、私たちがなし得ることは何かについて討論したいと思います

加納隆至(霊長類研究所)謎の多いアフリカ南限のチンパンジー

山越言(京大・アフリカ研)チンパンジーの「緑の回廊」:ギニア・ニンバ・ボッソウ地域における生息地コリドーづくり報告

古市剛史(明治学院大)ボノボの現況と保護対策

山極寿一(京大・人類進化論)コンゴの内戦とゴリラの危機:最新のゴリラ生息数調査から

ジェフ・デュパン(霊長類研)The effect of logging on bush-meat hunting in the Democratic Republic of Congo: a case report.

マーク・アットウォーター(京大霊長研COE Do Primate Sanctuaries in Africa Have a Conservation Role?

指定討論者:橋本千絵(京大霊長研)

 

12:00-13:00 昼食(世話役会、3F和室)

 

13:00-15:00 全体セッション3、4Fフロイデホール

特集テーマ:生命倫理・動物福祉(座長:上野吉一・友永雅紀)

ヒト以外の動物にかんする理解が進み、また彼らに対する社会的な関心も高まり、いわゆる「実験動物」や「展示動物」に対しても福祉的配慮を向けることは必要不可欠なものとなりました。しかしそれは、動物の実験や展示を全面的に否定するものではありません。わたしたちは、ヒト以外の動物を研究や教育に用いることを肯定すると同時に、彼らのくらしに最大限の配慮をするという意識・態度を持たなければならないと言えます。いわゆる動物実験で言えば、用いる動物の数を減らすということから始まり、実験動物の飼育方法、研究上の動物の取扱い、さらには実験後の動物の処遇について、十分に目を向けていかなければなりません。しかし、動物種によりそれぞれ異なる特性を持っているため、それを無視した、包括的・一般論的な配慮だけでは足りないと思われます。それぞれの種の特性に関する知識にもとづき、どの範囲に対して何をどのように配慮すべきか、具体的な方策を検討したいと思います。

板倉昭二(京大・文)自己・他者に関する認識能力に対する福祉的配慮

中道正之(阪大・人科)大型類人猿の社会的能力とその発現の重要性

マイク・ハフマン(京大・霊長研)病と死にたいするチンパンジーの予見能力

濱田 穣(京大・霊長研)成長パターン比較から展望する霊長類の発達・加齢

伊勢田哲治(名大・情報文化)ヒトとヒト以外の動物の扱いの質的な違いに関する哲学的議論

米本昌平*(三菱生命研)生殖細胞/胚利用における社会的制約システム(*第1日目に発表します)

 

15:10-17:00 全体セッション4、4Fフロイデホール

研究:最近のトピックス(座長:竹中修)

 大型類人猿を対象とした研究の中から、遺伝子研究、認知研究、野外における生態研究における最近の3つの話題について報告します。

斎藤成也(遺伝研)類人猿ゲノム計画“Silver”

松沢哲郎・友永雅己・田中正之(霊長類研究所)チンパンジー新生児の認知研究プロジェクト

西田利貞(京大・人類進化論)野生チンパンジーにおける文化:群れの中での個体による違い

 

17:00-17:05 閉会挨拶に変えて:SAGA4に向けてのアナウンンス

17:05-18:30 分科会1、飼育と繁殖、座長:松林清明、吉原耕一郎、3F会議室1

17:05-18:30 分科会2、生息と保全、座長:五百部裕、山極寿一、3F会議室2

17:05-18:30 分科会3、福祉と倫理、座長:友永雅己、上野吉一、3F会議室3 


主催者の連絡先

SAGA

京都大学霊長類研究所、犬山市官林41、e-mail: matsuzaw@pri.kyoto-u.ac.jp、tel: 0568-63-0547、fax: 0568-62-2428

SAGA3世話人グループ

松沢哲郎、松林清明、上野吉一、上原重男、マイク・ハフマン、友永雅己、濱田穣、吉原耕一郎、鵜殿俊史、山極寿一、山越言、伊谷原一、五百部裕、古市剛史

京都大学霊長類研究所共同利用研究会世話人

松沢哲郎、松林清明、上野吉一、上原重男、マイク・ハフマン、友永雅己、田中正之、西田利貞、加納隆至、大澤秀行


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