毛づくろいは、霊長類の健康維持に欠かせないだけでなく、社会関係の維持や取引という重要な機能をもっていると考えられています。最近は、毛づくろい行動の発展としての言語起源論まで出現しました。しかし、霊長類には毛づくろいをよくする者から、ほとんどしない者までその重要度は種によってまちまちなようです。また、同時に相互を毛づくろいする種から、一方的にしか毛づくろいしない種まで、毛づくろいのパターンもまちまちです。種内でも地域によって、同じ地域でも季節的に、毛づくろいの頻度は大きな違いがあります。こういった相違は、どうして起こるのでしょうか。チンパンジーとビリヤ(ボノボ)だけでなく、さまざまな種の毛づくろい行動の比較を試みたいと思います。
3月9日(木) 13:30-18:00
座長:加納 隆至(京都大)
- 13:30-14:25
西田 利貞(京都大)
「研究会の目的とチンパンジーの毛づくろいパターン」(ビデオ紹介)
- 14:25-15:20
中村美知夫(日本モンキーセンター)
「チンパンジーの毛づくろい」
15:20-15:40 コーヒーブレイク
座長:古市 剛史(明治学院大)
- 15:40-16:35
加納 隆至(京都大)
「ビリヤの毛づくろい」
- 16:35-17:30
山極 寿一(京都大)
「ゴリラの毛づくろい」
17:30-18:00 討論:アフリカ類人猿の毛づくろい
3月10日(金) 08:45-12:30
座長:山極 寿一(京都大)
- 08:45-09:40
伊澤 紘生(宮教大)
「南米の毛づくろいするサルしないサル」
- 09:40-10:35
田中伊知郎(京都大)
「シラミ取りとしての毛づくろい」
座長:西田 利貞(京都大)
- 10:35-11:30
中川 尚史(神戸市看護大)
「毛づくろいのエコロジー」
11:30-12:30 総合討論:毛づくろいは種間でどのように違うのか?
デイスカッサント:
黒田 末寿(滋賀県立大)、伊谷 原一(林原自然科博準備室)、五百部 裕(京都大)、橋本 千絵(京都大)、鈴木 滋(京都大)
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