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事業報告事業番号:20-042 バングラデシュのアカゲザルの集団遺伝学的研究 報告者:川本 芳 期間:2008/08/02 - 2008/08/30 バングラデシュの森林地域と都市部に生息するアカゲザルの遺伝的特徴を解明するため、糞試料から抽出したDNAを標識にして集団の変異性、地域分化を明らかにする研究が必要であった。また、地元で遺伝子分析が行える環境を整備するため、Jahangirnagar大学動物学教室で、採取した試料からのDNA抽出、試料化したDNAのPCR増幅、増幅したDNAの電気泳動分析、の条件を関係者と考案し、恒常的に分析が行えるよう、技術移転、インフラ整備、若手研究者育成を推進する必要があった。また、河川隔離による地域分化の検討のため、短期間ブータンを訪れ、マカク分布に関する情報資料収集が必要であった。 バングラデシュのジャハンギルナガール大学動物学教室に遺伝研究の実験環境を設け、野生動物研究の基盤整備に貢献した。この実験室では、遺伝子増幅(PCR)、制限酵素断片多型(RFLP)分析、および電気泳動(PAGE)が可能になり、野外研究の拠点になることが期待される。この整備により、同大学の霊長類研究グループが進めるサルの糞試料を利用したmtDNAのDループ第2可変域にある反復多型の検査が可能になった。なお、同大学でPCRができるDNA実験室の設置は今回が初めてである。実験環境整備に加えて、森林地域と都市部のアカゲザル、南部ミャンマー国境付近に生息するカニクイザル(種分布全体の最西端にあたる)に関して観察、記録調査を行い、遺伝分析用に糞試料を採取した。カニクイザルについては、今回初めて動画撮影に成功した。ブータンではアッサムモンキーの生息情報を中心に聞き取り調査と今後の研究計画の相談を行った。 関連文書 『バングラデシュ事情:街中のサル』
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