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事業報告

事業番号:20-041

国際霊長類学会参加・発表、および野生霊長類の遺伝学的研究に関する情報交換

報告者:井上 英治

期間:2008/08/02 - 2008/08/13

申請者は、野生霊長類の社会を解明するために、DNAマーカーの解析を行なっている。第22回国際霊長類学会(エジンバラ、スコットランド)にて、野生チンパンジーのY染色体マーカーの多型解析に関する研究成果を発表し、海外の研究者と議論や情報交換を行い、研究の進展に役立てるために、派遣を必要とした。また、野生動物の遺伝解析を行なっているLeibniz Institute for Zoo and Wildlife Research, Italy's National Institute for Wild Animalsの研究者を訪問して、現在行なっている研究課題や実験室の整備状況についての情報収集を行なう。様々な分野で活躍している研究者と議論を進めることにより、野生霊長類のDNA研究の未来を展望するために、渡航した。

エジンバラで開催された第22回国際霊長類学会において、野生チンパンジーのY染色体マーカーの多型解析に関する研究成果を発表し、議論を行なった。また、保全遺伝学に関する研究発表や、DNAを用いた血縁判定から社会や行動を解明する研究発表が紹介されており、新しい分析手法の情報収集や研究の動向を探ることができた。
その後、Leibniz-Institute of Freshwater Ecology and Inland Fisheriesの松村秀一博士と、スラウェシマカク(Macaca maurus)の遺伝子解析の打合せを行った。また野生動物の遺伝子解析を行っているLeibniz Institute for Zoo and Wildlife Researchの Arne Ludwig博士、Italy's National Institute for Wild Animalsの Ettore Randi博士をそれぞれ訪問して研究所を見学した。両研究所とも様々な動物を対象に、遺伝学的研究を行なっており、今後の研究に役立つ有意義な議論ができた。


イタリアの野生動物研究所の実験室


ベルリンにて 左から井上、松村秀一氏


国際霊長類学会のシンポジウムの様子

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