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事業報告

事業番号:20-037

国際霊長類学会出席と研究情報収集

報告者:松原 幹

期間:2008/08/02 - 2008/08/30

エディンバラで行われた国際霊長類学会でニホンザルのMHC遺伝子多型について発表し、MHC遺伝子多型を中心に研究するDr. Leslie Knappと研究内容についての議論、および今後の研究の打ち合わせをデータを持ち寄って行う必要性があった。また、派遣後半に行った飼育ニシローランドゴリラの飼育環境と遊び行動、および社会関係についての調査では、コドモ数が7頭と比較的多く、かつ年齢の幅が1歳から8歳までと広い群れが観察可能な動物園を選ぶ必要があった。

国際霊長類学会では、霊長研の飼育ニホンザルにおけるMHC−DRB遺伝子の塩基配列、アミノ酸配列、若桜・高浜・嵐山・小豆島出自の群れの多型比較、アカゲザルやカニクイザル等のマカク属におけるMHC−DRB遺伝子との系統樹、およびそれらにみられたマカク属共通の塩基配列について発表した。
学会後、ケンブリッジ大学生物人類学部門の講師、Dr. Leslie A. Knappと本発表の結果についてのディスカッションを行った。その際、新規プロジェクトの共同研究の打診がKnapp博士からなされ、霊長類の保全遺伝学的研究として重要な意味があると判断したため、研究助成申請を双方ともで行うことで同意した。
その後、イギリス南東部にあるポート・リム野生動物公園にて、ゴリラの家族群(オトナオス1頭、オトナメス6頭、未成熟個体5頭、乳児2頭)を対象に主に遊び行動について観察を行った。遊び行動は未成熟個体や乳児以外のオトナメス2頭でもみられ、飼育係によればシルバーバックと年長の未成熟個体達のレスリングも数週間前に見られたとのこと。また、8歳オスと20歳経産メス(血縁関係なし)との間に交尾的な行動が観察され、その前後に8歳オスが20歳メスを追い、20歳メスが8歳オスを追わせる行動が観察された。


給餌後の休息


4歳の弟のムパッサと8歳の兄のジャジャの遊び

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