事業報告

事業番号:24-J003

マレーシア・サバ州・ダナンバレー自然保護地域における野外調査参加及び施設視察

報告者: 上垣 泰浩

期間: 2012/11/19 - 2012/11/27

 

 今回、マレーシアボルネオ島サバ州ダナンバレー自然保護区にて、毎年行われている思考言語分野全学共通科目であるチンパンジー学実習に同行した。この実習はオランウータンを含む霊長類に対する理解を深めるという目的から、大型類人猿の一種である野生のオランウータンを中心に各種の動植物の観察を行うものである。霊長類学を目指す学部生に加えて、霊長類研究所若手研究員も参加した。

 観察は宿泊施設である「Rainforest Lodge」を起点に、11/21〜25の丸5日間にわたり、現地スタッフの案内のもと、基本的に午前・午後・夜の、3回行われた。自然の森の中での観察ではあるが、安全性は考慮されていた。

 また、サバ財団の協力のもと京都大学野生動物研究センターが2010年に開所したダナンバレーの野外調査基地である「DANUM RESEARCH STATION」を訪問し、施設内外の状況を視察した。現在ここで野生オランウータン研究に従事している霊長研研究員から研究の状況を聞いた。施設の運営及び研究の進展は順調であった。

 さらに、車で1時間程度離れたところの研究者向けの施設である「Danum Valley Field Centre」を訪問し、そこで、日本人研究者、マレーシア現地研究者、その他欧米各国の研究者が集まり、研究を進めている状況が見られた。日本とマレーシアの国際共同研究が順調に進んでいると思われる。

 専門的知識を持たない事務職員が、ボルネオ原生林で若手研究者らと全く同じ内容を経験することとなった。今後、野外調査の安全性確保等の調整、海外の主要大学や施設との連携推進、若手研究者海外派遣の支援を図る上で、有意義なものとなった。


DANUM RESEARCH STATION


2.Danum Field Center コンピュータ室(右上)、図書室(左下)、宿泊室(右下)


3.現地研究者らと 〜 Danum Field Center にて

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