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事業報告事業番号:24-011 道渡り時の集団協力行動を中心とした野生ボノボの行動調査 報告者: 山本真也 期間: 2012/9/16 - 2012/11/29 申請者は、ボノボとチンパンジーでの比較認知科学を主な研究課題としている。野生ボノボを対象とする本調査は、「ボノボとチンパンジー」×「野生と飼育下」という世界でも類をみない2×2研究パラダイムの一翼をになう。 コンゴ民主共和国ワンバ村にて野生ボノボの行動調査をおこなった。ビデオを用いた記録を中心に、道渡り時の集団協力行動・食物分配・群間関係・採食テクニック・糞食行動などのデータを収集した。道渡り行動にかんしては、2011年度の調査と合わせ、計10例以上を観察・記録することに成功した。これまでの予備分析の結果、チンパンジーとボノボでは道渡り行動に共通点と相違点がみられることが示唆されている。おとなオスが先頭としんがりを務めることが多い点でチンパンジーとボノボは共通しているものの、途中で他個体を待つような行動は、チンパンジーではオスが頻繁にみせるのに対し、ボノボでは低頻繁かつメスがおこなっていた。チンパンジーとボノボ、危険度の高い道と低い道での渡りを比較することにより、それぞれの種の集団行動の特徴、ひいては集団協力行動の進化について考察したい。これらのデータを分析し、チンパンジーとボノボの異同を主眼に論文にまとめることを予定している。また、コンゴ民主共和国ではローラ・ヤ・ボノボサンクチュアリーを、ベルギー王国ではプランケンダール動物園を訪問し、飼育ボノボを対象とした研究にかんする情報収集をおこなった。
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