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事業報告

事業番号:23-006

野生ボノボにおける新移入メスの社会関係の変遷に関する研究

報告者: 坂巻 哲也

期間: 2011/1/12 - 2012/2/28

 本研究の対象は野生のボノボであり、方法は個体識別に基づくボノボの行動の直接観察である。野生のボノボは、コンゴ民主共和国のコンゴ(ザイール)川の南側にのみ生息する。調査地であるルオー川学術保護区の北半分を占めるワンバ村では、1973年以来、日本人研究者がボノボの調査を継続してきた。ワンバの主な調査対象集団、E1グループは、全個体が識別されており、詳細な行動観察が十分に可能な程に観察者に慣れている。以上が、派遣先での研究を必要とした理由である。

 野生ボノボの長期調査地、コンゴ民主共和国のワンバで、約4ヶ月の現地調査を行なった。調査対象であるE1グループのボノボは全個体が識別されており、終日の追跡観察を行なっている。本研究のおもな対象は2個体のメスであり、2008年5〜6月に他集団からE1グループに移入した。その後の派遣者のE1グループ調査は、今回が6回目である。両個体とも2011年1月に初めての出産を確認した。今回のE1グループ調査は、計26日、約244時間の観察を行ない、社会的アソシエーション、毛づくろい、遊び、性器接触交渉、拮抗的な社会交渉などのデータを収集した。同期間には、E1グループに隣接するPとE2グループ、隣接するイヨンジ村のボノボ調査も行なった。これまでに収集したデータから、対象のメス2個体の社会的地位の変遷とボンディングの形成過程を分析し、チンパンジーと異なるボノボ社会の特徴がどのように生じるかを明らかにする。


Nobita, the alpha male of E1 group


Trackers at Iyondji


Bimbo camp in the E2-group ranges

HOPE Project<>