京都大学霊長類研究所 共同利用研究会
ヒトを含めた霊長類の比較解剖学−末梢神経系と脈管系を中心に−

 

平成25年10月19日(土)〜20日(日)
京都大学霊長類研究所・大会議室

ヒトおよび霊長類の肉眼解剖学的な記述としては,足立,舟丘,Eisler,Bardeen,Ruge,Bolkなどがある。これらの研究は多数例の統計であり,莫大な例数の多さに圧倒され,もはやこれを超えることはできないかに思える。 すなわち既存の解剖学名や型に観察事実を当てはめようとする限り,先人の二番煎じとなってしまうことを示唆している。

 そこで,既存の解剖学名を一度捨て去り,新たに発見される様々な中間・移行的な脈管・神経の存在を正確に観察・記録・整理する。その後,仮説をたて考察することで新しい法則や原則の発見につながる。仮説はいろいろな角度から検証されその妥当性が客観的に認められた時に定説となり法則となる。

 今回, 脈管系・末梢神経系について, その起始, 走行経路, 分布や周辺構造物との位置関係に留意した肉眼解剖学的・比較解剖学的な調査を紹介するとともに, 機能解剖学的な調査を紹介し,今後の方向性を含めた幅広い討論を行いたい。

10/19(土)
13:00〜13:20 開場・受付
13:20〜13:30 趣旨説明 時田幸之輔(埼玉医科大学)

Ⅰ 頭・頚部  座長 本間 智
13:30〜13:45 布施裕子(埼玉医大) 副神経の比較解剖学
13:45〜14:15 竹澤康二郎(日本歯科) 舌神経の線維解析
14:15〜14:45 影山幾男(日本歯科) 眼動脈の形態形成と比較解剖学

Ⅱ 胸・腹部内臓  座長 関谷伸一
14:55〜15:20 吉原未来(埼玉医大) ブタ胎仔標本 大動脈弓
15:20〜15:50 深澤幹典(日本歯科) マカク類腎血管系の観察
15:50〜16:20 東 伸明 (金沢医科) ヒト上位腹部動脈系の変異について

Ⅲ 上肢  座長 熊倉博雄
16:30〜16:50 緑川沙織(埼玉医大) 内側上腕皮神経に関する比較解剖学的考察
16:50〜17:20 小島龍平(埼玉医大) ニホンザル前肢近位筋の筋線維タイプ構成
17:20〜17:50 小泉政啓(東京有明大学) 両生類から霊長類にいたる過程での腕神経叢の比較解剖学

懇親会 18:20〜

10/20(日)

Ⅳ 腰仙骨神経叢関連  座長 東 伸明
9:00〜9:30 時田幸之輔(埼玉医大) 腰神経叢から考える胸部特異的肋骨形成
9:30〜9:50 姉帯飛高(埼玉医大) ヒト及びニホンザルにおける上殿動脈と仙骨神経叢の位置関係
9:50〜10:20 本間 智(金沢医大) 内腸骨動脈の動脈輪

Ⅴ 下肢 座長 小島龍平
10:30〜11:00 関谷伸一(新潟県立看護大学) 大型類人猿における深腓骨神経の足背分布
11:00〜11:30 熊倉博雄(大阪大) 霊長類下肢筋の形態比較からみた機能
11:30〜12:00 平崎鋭矢(京都大) 足底部の筋配置と足底圧からみた霊長類の足の機能軸
12:00〜12:30 荒川高光(神戸大) 母指内転筋の比較解剖学とMm. contrahentesについて

閉会

世話人: 時田幸之輔(埼玉医科大学), 平崎鋭矢
問い合わせ: 時田幸之輔tokita[at]saitama-med.ac.jp