霊長類研究所共同利用研究会

「サルが二足で歩くとき」

 

日時:2012年3月17日(土)〜18日(日)

場所:京都大学霊長類研究所・大会議室

 

「直立二足歩行の起源と進化」を考える時、問題は大きく3つに分かれる。二足歩行を可能にした身体構造や脳機能はどのようなものか、二足性は何をきっかけにどういった状況で獲得されたのか、二足性獲得後の歩行はどのように洗練されていったのか。さらに、これらのイベントがいつ起こったのかという問いが4つ目として加わるだろう。こうした疑問に対して、それぞれ、機能形態学と神経科学、霊長類社会学・生態学、進化ロボティクス、古人類学からのアプローチがなされ、多くの成果をあげてきた。しかし、一方で全体を見渡す論議、互いの成果を参照・補強しあう考察は必ずしも十分になされているとは言えない。二足歩行という共通テーマの下に異なる立場で研究を行っている多様な分野の研究者が集まり、最新の成果に基づいて意見を交換することによって新たなパラダイムを構築することがこの研究会の目的である。

 

 

プログラム

 

3月17日(土)

 

13:00-13:10 趣旨説明 平崎鋭矢

 

二足歩行の基盤〜機能形態学の立場から(座長:毛利俊雄)

 

13:10-13:40 熊倉博雄(大阪大)   体幹運動の捕捉方法とその機能的意義

13:40-14:20 木村賛(東京大)     サルからヒトの二足歩行を考える

14:20-15:00 平崎鋭矢(京都大)   足圧と足形態からみたサルの二足歩行

 

二足歩行の基盤〜神経科学の立場から(座長:宮地重弘)

 

15:10-15:50 高草木薫(旭川医大) 歩行の神経生理学

15:50-16:30 中陦克己(近畿大)   トレッドミル歩行に関連したサル一次運動野の

神経細胞活動

16:30-17:10 森大志(山口大)     ニホンザルの二足歩行学習

 

討論(座長:平崎鋭矢)

 

17:20〜     コメンテーター: 石田英實(聖泉大)、日暮泰男(大阪大)

 

懇親会(霊長類研究所多目的ホール)

 

18:00-20:00

 

 

 

3月18日(日)

 

何故立ち上がるのか、どのように歩くのか〜生態学の立場から(座長:平崎鋭矢)

 

09:00-09:40 古市剛史(京都大)   チンパンジーとボノボのロコモーション:

樹上移動と地上移動の種間比較

09:40-10:20 久世濃子(京都大)   オランウータンのロコモーションの多様性と、

多様性を生み出す要因

 

二足歩行の仮想進化〜進化ロボティクスの立場から(座長:森大志)

 

10:30-11:00 野村泰伸(大阪大)   柔軟かつロバストな直立姿勢の神経制御戦略

11:00-11:40 荻原直道(慶応大)  ニホンザル二足歩行運動の順動力学・逆動力学

シミュレーション

 

化石人類学の立場から(座長:古市剛史)

 

11:40-12:20 中務真人(京都大)  初期人類の二足歩行

 

総合討論(座長:濱田穣)

 

13:20〜     コメンテーター: 岡田守彦(帝京平成大)、加賀谷美幸(京都大)

 

 

 

世話人: 濱田穣、古市剛史、平崎鋭矢、宮地重弘、毛利俊、森大志(山口大)
問い合わせ: 平崎鋭矢 hirasaki [at] pri.kyoto-u.ac.jp