共同利用研究会

アジアの霊長類の保全と社会生態研究に関する近年の新たな展開

当研究所社会生態部門の渡邊邦夫先生のご退職を記念して、以下の通り共同利用研究会を開催いたします。多数の方のご参加をお待ちしています。
なお、研究会に引き続きまして、11日16時より、犬山国際観光センター・フロイデにて渡邊邦夫先生の最終講義が行われます。参加は自由ですので、こちらにもご参加ください。
世話人:古市剛史、M.A. Huffman、半谷吾郎、橋本千絵、辻大和

日時:2012年3月10日(土)〜11日(日)
場所:京都大学霊長類研究所・大会議室

 霊長類、特にニホンザル野外研究における保全およびそれと関連した学問分野の、
ここ10年程度の新たな展開を中心に総括し、次への展望を模索する。現在、ニホンザルを含む日本の野生獣類の個体数管理は大きな曲がり角を迎えている。各地で被害問題が拡大し、これまでの政策が見直しを迫られているからである。こうした状況の中で、霊長類学の分野でもこれまでの知見を総括し、どのように対処していくのかを議論する必要がある。関連する分野の研究者も幅広く招きながら、今後の基本的な研究の方向性を探るきっかけとしたい。

プログラム

3月10日

13:00-13:05

趣旨説明:古市剛史

アジアの霊長類(1) 座長:渡邊邦夫

13:05-13:40

川本芳(京都大学・霊長類研究所)
南アジアの霊長類の系統地理研究

13:40-14:15

濱田穣(京都大学・霊長類研究所)
東南アジアの霊長類、特にマカクの多様性研究

14:15-14:50

親川千紗子(東北大学・大学院農学研究科)
東南アジアにおける野生テナガザルの音声コミュニケーション研究

14:50-15:00 休憩

アジアの霊長類(2) 座長:川本芳

15:00-15:35

半谷吾郎(京都大学・霊長類研究所)
マレーシア・ダナムバレーのレッドリーフモンキーの食性とフォールバック食物

15:35-16:10

三谷雅純(兵庫県立大学・自然・環境科学研究所)
二次植生と繊維食性霊長類の食性:海洋に面する孤立したハビタートの持つ意味

16:10-16:20 休憩

16:20-16:55

松村秀一(岐阜大学・応用生物科学部)
進化生物学からみたスラウェシマカク

16:55-17:30

丸橋珠樹(武蔵大学・人文学部)
タイ・カオクラプックのベニガオザルの社会と生態

18:00-20:00 懇親会(霊長類研究所・多目的ホール)

3月11日

ニホンザル(1) 座長:辻大和

9:30-10:05

江成広斗(宇都宮大学・農学部)
人口減少社会におけるニホンザル個体群管理の現状と課題

10:05-10:40

宇野壮春(宮城・野生動物保護管理センター)
東北地方におけるニホンザルの長期的な保護管理を目指して

10:40-10:50 休憩

10:50-11:25

松岡史朗(下北半島のサル調査会)
下北半島のサル −過去・現在・未来−

11:25-12:00

赤座久明(富山県立八尾高等学校)
ニホンザルの遺伝的多様性保全と保護管理計画

12:00-13:00 昼食

ニホンザル(2) 座長:半谷吾郎

13:00-13:35

室山泰之(兵庫県立大学・自然・環境科学研究所)
ニホンザルの保全と管理−兵庫県における取り組みについて

13:35-14:10

大井徹(森林総合研究所・生物多様性研究グループ)
どう評価するニホンザル個体群の絶滅危険度-レッドデータの現状と今後

14:10 14:55 総合討論

14:55 15:00 閉会挨拶

 

渡邊邦夫退職記念行事

会場:犬山国際観光センター フロイデ 2階多目的研修室

16:00 17:00

渡邊邦夫(京都大学・霊長類研究所)
講演会「私とサル学40年」

17:00 18:00 休憩

18:00 20:00 退職記念祝賀会