熱帯林霊長類研究会は、アジア・アフリカ・新世界の各熱帯林において霊長類の研究を行っている研究者を中心としたグループです。ひとくちに熱帯林と言っても、地域によってその様相は様々であり、そこに生息する霊長類の姿もそれぞれに異なります。本研究会では、3大陸に見られる森林特性、進化史の違いに対しても理解を深め、異なる地域で研究を行う研究者間の連携を促し、方法論の統一を図って調査地間の比較を行うことを目的として、2000年2月から活動を開始いたしました。
熱帯林を構成する高い生物多様性には、動物と植物の共進化の歴史が反映されています。熱帯林の哺乳類バイオマスの多くを占める霊長類は、熱帯林の構成樹木となる多種の果実を採食し、種子散布を通じて、生物多様性の維持に大きく貢献していると考えられます。第16回研究会では、調査地間の比較を通し、種間関係、特に霊長類と植物の相互作用についての理解を深めることを目的として行います。今回は、熱帯林霊長類研究会の主要メンバーに加え、霊長類以外の果実食者を対象としている研究者にも話題提供をしていただき、食性と種子散布のバリエーションなどについて各調査地から報告を行い、果実食者と植物の相互作用について議論を行いたいと思います。
通常の熱帯林研究会は、ワークショップ形式の議論を行うために少人数でクローズな会としておりますが、今回は、京都大学生態学研究センターの共同利用公募研究会として採択していただきましたので、どなたでもご参加いただけるオープンな会とさせていただきます。霊長類が主要な対象種であるため、霊長類研究所での開催といたしました。
熱帯林霊長類研究会世話人:山極寿一、古市剛史、鈴木滋、橋本千絵、竹ノ下祐二、下岡ゆき子
※熱帯林霊長類研究会のHPはこちらです
京都大学 霊長類研究所 > 2004年度 シンポジウム・研究会 > 第16回熱帯林霊長類研究会 > 趣旨説明
更新日:2004年10月31日
このページの問い合わせ先:京都大学霊長類研究所 杉浦秀樹
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