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事業報告
事業番号:22-007
疎開林に棲息するブッシュハイラックスの行動と生態に関する研究
報告者:飯田 恵理子
期間:2010/06/06 - 2010/10/07
かつて、ハイラックスの仲間はアフリカと東地中海において大繁栄していた。現在、多くの哺乳類が絶滅の危機に瀕するなか、ハイラックスは限られた環境に適応することで繁栄を続けている。こうした観点からその生態や行動を解明することは、ヒトを含めた哺乳類の環境適応を考えるうえでも重要だと考える。 本研究では、タンザニアのミオンボ疎開林においてハイラックスの基礎的な生態や行動を明らかにすることを目的に調査を行った。動物の環境適応を調べるためには、実際に対象動物が生息している派遣先での現地調査が不可欠であった。
申請者は、2010年6月〜10月(乾季)にタンザニア共和国のマハレ国立公園とウガラ地域に棲息するブッシュハイラックスを対象に調査を行った。 巣穴・ため糞の場所の特徴を調べ、乾燥糞サンプルを採取した。またGPSを用いて巣穴やため糞場などの位置情報を集め、各岩場周辺の詳細な植生調査をおこなった。ウガラ森林保護区ではブッシュハイラックスの小さな群れを直接観察することに成功した。直接観察では、昼間に5分の間隔のスキャンサンプリングで活動パターン・姿勢・位置などの記録を行った。ハイラックスは昼行性と言われ、他の地域では朝と夕方に採食行動がみられることが多いが、今回の調査では日中に採食行動は見られなかった。現在、さらに詳細な分析を進めている。
マハレ国立公園のブッシュハイラックス
ウガラ森林保護区のブッシュハイラックス
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