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事業報告

事業番号:21-017

霊長類の混群形成に関する社会生態学的研究

報告者:郷 もえ

期間:2009/07/29 - 2009/10/02

 派遣者は、ウガンダ共和国カリンズ森林に生息するブルーモンキーとレッドテイルモンキーの混群動態の解明をテーマに研究を行い、現在博士論文を執筆中である。霊長類の混群はアフリカや南米のさまざまな地域で報告されているが、混群形成のしかたや混群を形成する意義は種や地域によって大きく異なっている。コートジボアールのタイ国立公園には、上述2種の近縁種であるダイアナモンキーが生息しており、同所的に生息する他種と頻繁に混群を形成することが知られている。派遣先であるマックスプランク進化人類学研究所には、タイ国立公園を調査地として霊長類の行動や生態を研究する研究者が多数在籍しており、霊長類の混群についての研究も多くなされてきた。派遣者が博士論文の執筆を進める上で、混群動態の地域間比較が不可欠であり、派遣先で多くの研究者たちと直接議論を重ねる必要があると考えた。

 派遣者はこれまで、ウガンダ共和国カリンズ森林にてブルーモンキーとレッドテイルモンキーの混群がいつどのように形成されているのかを明らかにしてきた。今回、派遣先であるマックスプランク進化人類学研究所霊長類部門のセミナーにて"Ranging behavior and mixed-species association of sympatric Cercopithecus monkeys in the Kalinzu Forest, Uganda"というタイトルで研究発表を行い、多くの研究者たちと議論を重ねながら論文執筆を進めた。また、滞在期間中には毎週行われる霊長類学部門のセミナーに参加し、霊長類学の最近の研究動向の把握に役立てた。


Max Planck Institute for Evolutionary Anthropology

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