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事業報告事業番号:21-011 ヤマアラシ類を中心とした熱帯雨林の林床に生息する哺乳類に関する研究 報告者:松川 あおい 期間:2010/01/22 - 2010/03/27 本研究は、ヤマアラシ類を中心に林床性哺乳類の間接観察、捕獲調査等を行い、それぞれの種の採食植物や利用環境などの基礎的生態的情報を調べることを目的としている。今回の調査は、来年度タビン野生生物保護区行う本調査に先立って、調査方法を確立するために行った。Rainforest Discovery Centreは、もともと環境教育を目的として設立され、トレイルの整備された二次林を保有している。タビン野生動物保護区のほとんども二次林で占められていることから、 Rainforest Discovery Centreにおける調査は有用であると考えた。 カメラトラップやラインセンサス、直接観察による、林床性哺乳動物の調査を行った。 カメラトラップでは6台の自動撮影装置を利用して、主に獣道や水場など、計16ヵ所において、のべ323日分の撮影をおこなった。その結果、ネズミヤマアラシ、スカンクアナグマ、マメジカなど、少なくとも14種を含む、114枚の林床性哺乳動物の画像の撮影に成功した(平均0.20枚/日)。特に湿地林の水場周辺では、最も高頻度(0.60枚/日)で動物の画像を撮ることができた。 また、野生動物の痕跡を探すためにラインセンサスを行った。その結果、計6ヵ所で林床性哺乳動物のものと思われる巣穴を発見した。発見した巣穴を利用している動物を特定するために、巣穴の前にカメラトラップを設置し、ネズミヤマアラシ (Trichys fasciculat) の巣穴やマレーアナグマ (Mydaus javanensis) の巣穴であることを確認した。さらに、計3ヵ所のネズミヤマアラシの巣穴の前に、それぞれカメラトラップを設置し、活動時間帯を調べた。その結果、早朝と日没直後、真夜中に巣穴への出入りが確認された。 夜間の直接観察は、ネズミヤマアラシの巣穴近くのバードハイドで行った。ネズミヤマアラシは警戒心が強いため、直接観察は難しかったものの、複数の個体が同じ巣穴を利用していることがわかった。今後、回収した画像の詳しいさらに分析を進めていく予定である。
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