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事業報告

事業番号:20-040

第22回国際霊長類学会への参加と発表

報告者:下岡(鈴木) ゆき子

期間:2008/08/03 - 2008/08/10

エジンバラ国際会議場において第22回国際霊長類学会が開催された。2007年度HOPEにより資金援助された研究課題の成果を発表すると共に、その研究課題における海外の共同研究者らと今後の研究方針について打ち合わせを行うため、さらには海外でクモザル属を対象として研究を行う研究者、また離合集散する種を対象として研究を行う研究者との情報交換を行うため、渡航をおこなった。

エジンバラ国際会議場で8月3日―8日に開催された第22回国際霊長類学会に参加した。2007年にHOPEの支援を受けて行った調査の結果を "Spatial Distribution of Wild Spider Monkeys in Fission-Fusion Societies: Simultaneous Follows of Two Individuals Using GPS"として発表した。この発表の次のセッションでFission-Fusionについてのラウンドテーブルが開かれ、この研究発表をネタに、クモザル・ムリキ・ヒヒを始めとする離合集散を対象とする研究者によってさかんな議論が交わされ、有意義な成果を上げることができた。また、この論文の共同研究者であるニューヨーク大学のAnthony DiFiore博士、Andres Link氏らと1年ぶりに再開し、今後の調査・データ分析方針、成果発表方法について検討を行った。また、今回の大会において、クモザルについての発表は、口頭10題、ポスター5題行われており、クモザルを対象とする様々な国の研究者らと意見を交換し、今後、種間および種内変異を比較検討するためのネットワークを作ることで同意した。10年前にはクモザル研究者は数名しかいなかったにも関わらず、近年のクモザル研究の進展は眼を見張るものがあり、種間で群れサイズに大きな違いがあることや、同種内でも行動のバリエーションが大きいことが次々と明らかになっており、今後の比較研究が期待される。


エジンバラ国際会議場にて発表中の下岡(撮影:辻大和)


懇親会会場にて。左から西村顕達氏、フィリッポ・アウレリ氏、下岡


歴史と現代が調和する、美しいエジンバラの街並み

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