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事業報告

事業番号:20-035-2

有蹄類臼歯のMesowear解析による鮮新世霊長類の古環境解析

報告者:仲谷 英夫

期間:2009/02/17 - 2009/02/24

日ロ共同研究(研究代表者:高井正成)によって鮮新世霊長類化石とシベリア・ザバイカル地域Udunga産ヒッパリオン(ウマ科、奇蹄目)化石の臼歯Mesowear解析データを収集している。 Mesowear各形質の評価基準について有蹄類臼歯Mesowearの権威であるKaiser、Fortelius両教授の研究室で形質評価基準のすり合わせを行い、 両研究室に蓄積されているMesowearデータとの比較を行なう。

有蹄類臼歯Mesowear研究の権威であるKaiser、Fortelius両教授とMesowear各形質の評価基準について討論し、日本側で収集したMesowearデータの評価を行なった。特に、咬合面の起伏が低く(low)、咬頭の先端が鋭い(sharp)ものについての判断基準について明確化できた。Mesowearに関する論文で使用された主として現生の標本を使って、形質評価の確認を行なった。さらに5万個にもおよぶKaiser研究室の臼歯コレクションからUdunga産に関連したヒッパリオンやほかの有蹄類化石標本のMesowearデータを収集した。
また、臼歯の咬合面の三次元データ収集の最新の方法や機器についても意見交換を行ない、Mesowear形質の数量化についても議論した。今後のMesowear形質評価の精密化に関する展望を開くことができた。ハンブルグ大学Ellen Schulz、ヘルシンキ大学Aleksis Karme両博士とも研究討論を行なった。


Thomas M. Kaiser氏の研究室


Ellen Schulz氏の研究室


Thomas M. Kaiser氏の臼歯コレクション


Mikael Fortelius教授の研究室


Aleksis Karme氏の研究室と臼歯の3次元画像


ヘルシンキ大学地質学教室のホール


ハンブルグ大学動物学教室

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