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事業報告

事業番号:20-031

国際霊長類学会参加およびグラスゴー大学獣医麻酔科訪問・情報交換

報告者:宮部 貴子

期間:2008/08/02 - 2008/08/16

英国エディンバラで開催された国際霊長類学会に参加することで、霊長類飼育管理、野生および飼育下の霊長類の健康と疾患について各国、各施設でおこなわれている研究の現状を把握し、情報を収集することを目的とした。また、近隣都市にあるグラスゴー大学では、申請者がサル類を対象に研究をおこなっている静脈麻酔薬プロポフォールを用いた麻酔法の基礎的な研究がさかんにおこなわれ、現在は小動物臨床においても実用化されている。今後の研究のために、ぜひとも実際の症例における使用をみながら専門家の話を聞き、交流を深める必要があった。

国際霊長類学会において主に霊長類の飼育管理や健康と疾患に関するセッションに参加し、霊長類の飼育管理方法に関する世界的な方向性を実感した。とくに動物福祉の観点からトレーニングによって注射の際のストレスを減らすなどの行動管理に関する発表が多かったのが印象的であった。今後の研究および霊長類飼育管理を考えるうえで大変有用な多くの情報を収集することができた。
グラスゴー大学小動物病院の獣医麻酔科では、申請者がサル類を対象に実用化を目指して研究している静脈麻酔薬プロポフォールを用いた麻酔法がすでに実用化されていた。実際のイヌの手術症例で、グラスゴー大学の研究者とメーカーによってイヌ用に開発されたシリンジポンプを用いて麻酔をおこなう様子をみることができた。その方法では体重と年齢を入力するだけで簡便に質の高い麻酔をおこなうことができるが、申請者が直面しているものと同様の問題点もあり、有意義な意見交換をおこなうことができた。


グラスゴー大学小動物病院


プロポフォール麻酔による手術症例

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