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事業報告事業番号:20-019 東アフリカ中新世類人猿化石に関する形態学的研究 報告者:國松 豊 期間:2009/01/10 - 2009/01/25 アフリカにおける類人猿化石は大部分が東アフリカから出土しているが、この地域がかつてイギリスの植民地であった事から、植民地独立以前に集められた化石の中には現地の博物館ではなく、ロンドンの大英自然史博物館に所蔵されているものがある。その中には、模式標本のように非常に重要な標本が幾つも含まれる。また、大英自然史博物館では、アジアなど他の地域から収集された化石標本や化石模型のコレクションも充実している。これらのことから、アフリカで発掘した類人猿化石の比較研究のため、大英自然史博物館を訪問する必要があった。 大英自然史博物館の古生物学部門に保管されている1960年代以前に東アフリカ(特にケニヤ)で発見された中新世類人猿化石を調べることを今回の訪問の主たる目的とした。今回調査した標本はケニヤ出土のProconsul africanus,
P. nyanzae, Ugandapithecus majorの模式標本も含んでいる。元々アフリカと一体であったアラビア半島出土のHeliopithecus leakeyiの模式標本を調べることもできた。これらの観察・計測・写真撮影などをおこなった。また、トルコの中期中新世化石産地であるパシャラル出土の大型類人猿化石(Griphopithecus alpani, Kenyapithecus kizili)の実物標本や模型標本を観察し、ケニヤの中新世中期や後期の類人猿化石との比較のためのデータを収集した。自然史博物館では、この他に、ヨーロッパや南アジアの旧世界ザル化石を観察する機会も得ることができた。
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