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事業報告

事業番号:20-018-2

化石および現生の哺乳類標本の調査,関連する研究資料収集および中国人研究者との意見交換

報告者:中川 良平

期間:2008/11/13 - 2008/11/25

中国は東アジアの大部分を占めている.日本は中国の周辺部に位置するため,日本の哺乳類相の形成過程を研究するためには,中国から発見される哺乳類化石を研究することが不可欠である.このため,実際に大量の哺乳類化石を産出する広西チワン族自治区で,現地調査を行うことが重要である. また中国から産出した哺乳類化石標本の多くは,北京市にある中国科学院古脊椎動物古人類研究所で保管されているため,それらの研究を行うには同研究所に赴いて,研究を行う必要がある.また同研究所には,それらの化石標本に関連する研究資料や多くの文献資料が保管されているばかりでなく.中国のこの分野の研究において活発な研究活動を行っている研究者の大部分が所属していて,彼らとの意見交換や彼らからの情報収集も研究遂行上,きわめて重要である.

中国科学院古脊椎動物古人類研究所では,中国産の哺乳類化石標本の観察を行った.また同研究所では中国産の化石研究に必要な研究資料の収集を行うとともに,同研究所に所属する古生物学の研究者との意見交換を行った.観察した化石標本については,その形態学的特徴を詳しく記録するとともに,可能な限り多くの標本の写真撮影を行った.
その後,広西チワン族自治区崇左市羅白近郊に位置する北京大学の崇左生態公園の敷地内とその周辺で,哺乳類化石を産出する洞窟の調査を行った.これらの洞窟では,鮮新世以降の哺乳類化石および現生の哺乳類の骨格標本を採集することができた.
いずれの施設においても,中国側研究者が親切に対応してくれたため,研究活動を円滑に進めることができた.


IVPPでの標本の観察


崇左での洞窟調査

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