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事業報告

事業番号:20-004

野生チンパンジーの行動の多様性研究のための、ウガンダ、カリンズ森林におけるチンパンジーの行動データ収集

報告者:坂巻 哲也

期間:2009/01/25 - 2009/03/12

チンパンジーが高密度で生息するウガンダ共和国のカリンズ森林では、1997年よりチンパンジーの人付けと個体識別が続けられており、野生チンパンジーの直接観察が可能である。申請者はこれまでタンザニア西部のマハレ山塊国立公園で、十分に人に慣れた野生チンパンジーを対象に、おもに社会交渉に関する調査を行なってきた。ウガンダのカリンズ森林は、マハレで得られた行動データと比較しうるデータが収集可能な、有力な候補地の一つである。

2009年1月25日、日本発。1月28日〜3月9日、カリンズ森林保護区に滞在。3月12日、帰国。
ウガンダのカリンズ森林保護区で、個体識別に基づく調査が継続しているMグループのチンパンジーを対象にグループ追跡を行ない、チンパンジーのグルーピングと観察可能な範囲の個体の活動と行動のデータを、アドリブサンプリングにより収集した。調査日32日のうち、直接観察したのは31日、観察時間は計約140時間だった。概してメスよりオスの方が観察者に慣れており、また人付けの程度はメスの間で個体差が大きかったため、オスの発見と追跡観察をメスよりも優先した。
週に一度行われている地元住民を対象とする環境教育に参加し、これまで申請者が実施したタンザニア共和国とコンゴ民主共和国の調査地について、地域住民と森と動物のかかわりを紹介するセミナーを行なった。


イチジクを食べるチンパンジー


環境教育センターのサンデー・スクールの様子

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