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事業報告

事業番号:19-067

東南アジアに生息するリス科の頭蓋に見られる機能形態学的比較

報告者:林田 明子

期間:2007/03/16 - 2007/03/29

近年行われている東南アジアに棲息する脊椎動物に見られる地理的変異の研究の中で、インドシナ地域とスンダ地域において違いが見られるという報告がある。東南アジアに棲息するリス科90種の中で、両地域にまたがって棲息しているリス科はハイガシラリス、クリハラリス、インドシナシマリス、シロフムササビなどの9種類のみであり、生物地理学的に大変興味深い種である。そこで本事業では、これらのリス科種内においてどのような地理的変異が見られるのかということを明らかにすることを目的とし、特に視覚や咀嚼機能を中心とした頭骨の計測を行い、これらの種の採餌に関する適応様式を形態学的に解明する。

リス科対象種 (ハイガシラリス、クリハラリス、インドシナシマリス)の毛色の比較および頭骨の計測学的検討を行った。東南アジアに分布するリス科の形態学的な比較は十分に行われておらず、特に毛色の変異は標本産地によって異なることが多く、正確に認識されていない。本事業では、スミソニアン国立自然史博物館が所蔵する仮剥製標本と骨格標本を検討し、リス科種内に見られる地理的変異の特徴を抽出することを試みた。


スミソニアン国立自然史博物館

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