事業報告事業番号:19-065 中国南部の洞窟から見つかっている鮮新世〜更新世前半の霊長類化石の解析 報告者:高井 正成 期間:2008/01/11 - 2008/01/17 中国南部の広西壮族自治区を中心とした洞窟堆積物からは、鮮新世から更新世後半の動物化石が豊富に出土することが知られている。申請者は2007年11月に広西壮族自治区西部の崇左にある北京大学崇左生物多様性研究基地において、同施設主任の秦大公氏や中国科学院古脊椎動物・古人類研究所(IVPP)の金昌柱教授やとともに予備的な発掘調査を行い、霊長類を含む多数の動物化石を発見した。特に霊長類化石は絶滅種のGigantopithecusをはじめ、オランウータン、マカク、リーフモンキーなど現生の種も多く含まれている。これらの化石霊長類は国外への持ち出しができないので、中国北京市にあるIVPPに赴いて観察・計測をする必要がある。 中国北京市に1週間滞在し、現在進行中の中国南部の鮮新世〜更新世前半の化石霊長類の進化に関する共同研究を行い、さらに共同研究の進め方に関して今後の打合せを行った。まず北京市にある中国科学院古脊椎動物・古人類研究所(IVPP)の金昌柱教授の研究室において、広西壮族自治区崇左の洞窟堆積物から発見されたマカク類を中心とする霊長類の遊離歯化石を観察し、写真の撮影と計測を行った。また同じく北京市にある北京大学生命科学学院(崇左生物多様性研究基地)の秦大公氏らを訪問し、化石の発掘調査を行っている広西省崇左での今後の共同研究の進め方に関して打合せをした。さらに今後の共同研究を進めるにあたり、中国産の現生霊長類の骨格資料の観察が必要なことから、北京市にある中国科学院動物研究所の黄乗明教授の研究室を訪問し、霊長類を中心とする哺乳類の骨格標本の保管状況を視察した。
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