事業報告事業番号:19-062 HOPEシンポジウム2007「人間の進化の霊長類的起源」での講演にAlan Mootnick氏招へい 報告者:平井 啓久 期間:2007/11/15 - 2007/11/21 彼はテナガザル類の正確な種同定は幾つかの種および亜種においては難しいことを示した。その要因としては下記の7項目をあげた:1)毛色の幅が広い、2)毛色が雌雄で異なる、3)毛色が成長にともなって変化する、4)栄養不良や飼育環境(屋内のみの飼育あるいは直射日光照射など)によって毛色が影響を受ける、5)性器周辺の尿による脱色や変色、6)種および亜種の発声の相違を区別する難しさ、7)押収されたテナガザルの起源の不鮮明性、などである。彼はこれらの種同定の困難性を心得たうえで、保護されたテナガザル類の飼育繁殖を行うことを提言した。発表後分類同定困難性の是正と、そのことを踏まえた保全計画の進め方を議論した。この発表は飼育テナガザルにおける現実的な問題点を浮き彫りにし、今後の問題点を明確にしたことで、将来の研究ならびに飼育の在り方に有意義な示唆を与えた。
HOPE Project<> |