事業報告事業番号:19-048 野生チンパンジーのメスの発情による行動変化について 報告者:橋本 千絵 期間:2007/09/16 - 2007/09/30 これまで野生チンパンジーのメスについて、発情時と非発情時における行動について詳細に調べた研究はなかった。これまで派遣研究者の行った研究によると、発情時にオスの多くいるパーティに属し、時間のほとんどを交尾と休息に費やし、一方非発情時には、オスから離れて単独でいる傾向があることが示唆されている。これまでの研究を継続して実行し、チンパンジーのメスにおける発情のコストについて明らかにすることがチンパンジーの性の進化を明らかにする上で非常に重要だと考えられた。調査地では、現地調査員が調査を行っているが、適切なデータを集めるためには、定期的な調査員との連絡が必要なため、現地への派遣が必要であった。 調査は、ウガンダ共和国カリンズ森林保護区で行った。2005年9月より、現地調査補助員をトレーニングして、調査対象集団の野生チンパンジーの発情メスと非発情メスを追跡し、GPSによる移動ルートの記録、5分おきのスキャンサンプリングによる追跡個体の行動、追跡個体を含むパーティの構成、母子間関係、妊娠検査キットによる妊娠の有無などについてのデータを継続的に収集している。今回の調査では、現地調査員と一緒に観察と記録を行い、記録方法のチェックや調整を行った。また、追跡対象となっているメスの性皮の状態、発情の有無、子供の有無と発育状態などをチェックした。さらに、不在中のデータを回収し、不備があるかどうかを点検し、今後の調査についての指示を行った。今後、データ入力を行い、分析をする予定である。 HOPE Project<> |