事業報告事業番号:19-040-2 東南アジアにおけるマカク類の頭骨・歯牙の変異 報告者:山本亜由美 期間:2008/02/24 - 2008/03/09 現生のマカク類の種間比較を通してマカク属の属内変異を明らかにし、またマカク属の時代的な変化を検討することが本研究の目的である。そのために由来地域などの個体情報が残されている東南アジア産の現生マカク類の骨格標本を検討する必要があった。シンガポール国立大学ラッフルズ博物館には東南アジア産のマカク類の骨格標本が多数収蔵されている。これらの標本は借り出しができないため現地にて計測する必要があった。また、ベトナム考古学研究所には更新世の洞窟遺跡から発掘され動物骨が多数保管されており、オランウータンやテナガザル、コロブス類、マカク類といった霊長類も含まれている。これらについても借り出しは困難なため現地にて整理する必要があった。 今回は、シンガポール国立大学ラッフルズ博物館とベトナム考古学研究所を訪問した。シンガポール国立大学ラッフルズ博物館では東南アジア各地から収集されたマカク類(ベニガオザル、ブタオザル、トンケアンマカク)の頭骨および歯牙の計測と観察を行った。ベトナム考古学研究所では更新世の洞窟遺跡ラン・チャンから発掘された霊長類の歯牙の調査を行った。これらの標本は十分に整理がなされていなかったのでまず整理をし、予備的な計測を行った。その他、現地の研究者とベトナムの化石産地や考古遺跡から産出する霊長類標本の形態研究について情報交換を行った。
HOPE Project<> |