事業報告事業番号:19-031 ベトナムにおける家畜関連ウシ科およびニワトリの運動装置に関する比較機能形態学的解析 報告者:遠藤 秀紀 期間:2007/09/23 - 2007/09/26 日本とベトナムとの間で生物資源や家禽化に関する研究会が継続している。野生哺乳類と鳥類の研究は、生息地においてしか得られない、形態学的・生態学的情報を必要としている。とくに本研究では、飼育や家畜化といった、生息地と飼育地に密接したテーマ設定であるため、現地で調査を行う必要が生じた。ベトナム訪問により、そこを訪れるアメリカおよびロシアの研究者からの情報を得て、広く国際的学際研究に発展させることが可能となる。 ベトナムの生態生物資源研究所に収蔵されている標本を比較検討した。野生ウシ科動物サオラやニワトリ集団を対象に、計測学的手法により機能形態学的変異を検討した。サオラは1990年代にベトナムで新種として発見された珍しい野生ウシ科動物である。近縁群はよく知られたカモシカ類やアノア類だが、現在までサオラの形態学的特徴はほとんど記録されていない。さらに、これらのグループと家畜として確立された他のウシ科動物との機能形態学的戦略の相違も分かっていない。そこで、今回の計測データをもとに、とくにサオラにおける咀嚼機構の機能的特異性を検討している。またニワトリでは、用途別育種の結果として、運動器にどの程度の機能形態学的変異が生じているかを、マクロ解剖学的に解明中である。日本で検討した卵用品種と比較し、とくに後肢や頸部の変異について解析を進めている。
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