事業報告

事業番号:19-026

ベトナムに生息する小型哺乳類の繁殖生理学的研究

報告者:佐々木 基樹

期間:2008/01/04 - 2008/01/11

ベトナムの密林地帯では、ツパイ類、ジャコウネコ類、タケネズミ類、そしてリス類といった多くの小型哺乳動物種が生息している。今回の調査地域であるベトナム、ライチャウ (Lai Chau) にも数多くの小型哺乳動物種が生息しており、この地域では多くの種数と個体数の捕獲が十分に期待できる。よってライチャウは、動物の種内における機能学的解析のみならず同一の環境条件における種間の機能学的差異を解析する上でとても適した調査地域である。

ベトナム、ライチャウ (Lai Chau) において、Institute of Ecology and Biological Resources (IEBR)の協力を得て、リス、モモンガ、そしてタケネズミといった小型哺乳類をトラップによって捕獲した。捕獲個体は麻酔下において生物学的データを収集し、各種個体の生殖腺の形態を確認した後に組織標本を採材した。明らかに体型から判断して成熟個体と思われるリス科動物において、精巣や尿道球腺などの発育状況に種差が認められた。また、タケネズミにおいては全ての成熟個体で精巣や副生殖腺の顕著な発達が確認できた。さらに、精子形成の認められたリス科動物のライディッヒ細胞には強いステロイド合成能が確認できた。調査後にはIEBRにおいて、季節を変えての同様の研究に関する打ち合わせを行った。


調査地ベトナム、ライチャウ (Lai Chau) の風景


研究打ち合わせを行ったハノイ (Hanoi) にあるIEBR

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