事業報告事業番号:19-020 米国人類学会北東部会(イタチャ大学)参加及び米国における研究連絡 報告者:Rizaldi 期間:2007/04/19 - 2007/05/02 イタチャ大学のペチウリ博士はかってインドネシアのメンタワイ諸島において野外調査を行っていた。今回、彼女から招へいがあり、それに基づいてイタチャ大学他での研究発表、およびインドネシアでの調査に関する研究連絡を行った。また第47回北米人類学会に参加し、ニホンザルに関する研究発表を行った。インドネシアは広大であり、霊長類学の分野でもまだまだ未開拓の領域が多数存在する。特にメンタワイ諸島に生息する種に関しては、その生態や社会行動、形態や遺伝的特徴など、まだまだ不明な点が多く、その独自の系統学的位置づけから、多くの議論をよんでいる。ペチウリ博士は最近、アメリカで学位を取ったばかりの中堅の研究者であり、今後派遣研究者が帰国した後でこれらの種の研究を続けていく上では、密接な連絡をとって行く必要のある研究者である。また現在博士課程の最終年度を迎えており、さらに国際的な活動範囲を広げていくためには、是非とも欧米での学会に参加して、その雰囲気に触れると共に、現在の霊長類学の進展状況を把握し、且つ世界の多くの研究者との交流を深めておくことが必要であった。 4月20日から23日にわたってイタチャ大学人類学部で行われた国際学会で、ニホンザルの攻撃行動の発達について発表を行った。またペチウリ博士との話し合いに基づいて、インドネシアにおける植民地政策が古来の伝統や文化におよぼした影響についてのシンポジウムに参加した。その後、イタチャ大学内で同様のトピックについての発表を行い、また生態学や人類学の講義やゼミに参加して、交流を深めた。またペチウリ博士とはメンタワイ諸島の霊長類に関する今後の調査の進め方について、じっくりと協議することができた。その後シラチュースに移動し、古環境学の新しい学説に触れた後、ニューヨーク市立大学を訪問し、そこでの人類学の講義およびゼミに参加した。またニューヨーク自然史科学博物館を訪問し、その展示や設備を見学する機会を得た。2週間の滞在であったが、当初の目的通り、ペチウリ博士との研究連絡を行った他、学会発表やセミナーでの発表、多くの講義やゼミへの参加を通じて、多数の国際的な霊長類学および人類学研究者と交流を深めることができた。
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