事業報告

事業番号18-023

東南アジアに生息する哺乳類の樹上適応戦略の解明

報告者:佐々木 基樹

期間:2006年12月21日 〜 2006年12月30日

ベトナムには多様な生活環境下で生活する多くの小型哺乳類が生息している。実際にツパイ、リス、ムササビ、モモンガ、そしてタケネズミなどの小型哺乳類の生息が確認されており、これら小型哺乳類の機能形態学的および繁殖生理学的解析のためにこれら動物を同時に捕獲するには適した調査地域である。

北ベトナム中国国境近くのカオバンTrung Khanh National Parkにおいて、Institute of Ecology and Biological Resources (IEBR)の協力を得て、ツパイ、リス、モモンガ、そしてタケネズミといった小型哺乳類をトラップによって捕獲した。捕獲個体は麻酔下において形態学的データを収集し、さらに、これら動物の前後肢の詳細な肉眼解剖を行い、四肢構成筋の解析を行った。また、機能形態学的解析のためにこれら動物の骨格標本を作製し、その後四肢の骨計測を行った。後肢構成筋の観察の結果、モモンガの後肢にはリスとは異なる滑空適応が確認された。また、リスやモモンガの後肢構成筋の構造が一部ツパイとは異なっていることが判明した。現在、他の動物種や他の部位の解析を行っているところである。さらに、IEBRにおいて今後の研究打ち合わせを行った。


捕獲したタケネズミの計測風景

 


北ベトナム調査地域風景

 

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