事業報告
事業番号18-007
ベトナムHang Cho遺跡から産出した、霊長類を含む完新世初頭哺乳類化石の形態学的検討
報告者:澤田 純明
期間:2007年1月13日 〜
2007年1月28日
Hang Cho遺跡出土動物骨の調査のため、出土骨が保管されているハノイの考古学研究所を訪問した。Hang
Cho遺跡出土動物骨を現生動物骨格標本と比較検討するため、東南アジア産動物骨のコレクションがあるシンガポールのラッフルズ博物館を訪問した。
2007年1月15日から5日間の日程で、ハノイの考古学研究所で、ベトナム北部のホアビン省に所在するHang
Cho遺跡から出土した完新世初頭の哺乳類骨約1万点を整理・同定した。その結果、科以上で同定可能な哺乳類骨の数は約1500点であり、出土哺乳類相がマカク、テナガザルなどの霊長類を含む30種類近くの動物種から構成されることを明らかにした。ハノイの考古学研究所が所蔵する現生動物の比較標本が少ないため、Hang
Cho遺跡出土哺乳類の頭骨標本の一部をシンガポールに搬送し、1月22日から5日間の日程で、ラッフルズ博物館の所蔵する現生標本の大規模コレクションと対照しながら精確な種同定につとめた。出土哺乳類の種組成において主体的であるシカ属とホエジカ属について、東南アジアの現生シカ類との形態的相違を明らかにするために、出土標本とラッフルズ博物館所蔵標本の上顎骨・下顎骨・臼歯を計測して、比較検討のためのデータを得た。
ハノイのベトナム考古学研究所
ラッフルズ・ミュージアムの展示室
HOPE Project<>
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