事業報告

事業番号17-032

アフリカ類人猿の生態と感染症の関連に関する研究

報告者:竹ノ下 祐二

期間:2006年1月3日 〜 2006年1月31日

ガボン共和国 ムカラバドゥドゥ国立公園、フランスビル国際医科学研究所

 野生のアフリカ類人猿はアフリカの熱帯地域にしか生息しない。しかも、ゴリラとチンパンジーが同所的に生息する地域はさらに限られている。主たる派遣先であるガボン共和国ムカラバドゥドゥ国立公園は、ゴリラとチンパンジーが高い密度で同所的に生息する地域であり、派遣研究者を含む日本人の研究グループによって1999年から継続調査が行なわれてきた場所である。

本研究課題は、同地における類人猿の生態の研究をさらに進めるとともに、同地の類人猿に対する感染症対策を考えるうえでの基礎資料とするために必須である。そのため、派遣先での研究が必要とされた。

ガボン共和国、ムカラバドゥドゥ国立公園にて、野生のアフリカ類人猿(チンパンジー、ゴリラ)の生態調査を実施した。10日あまりの野外調査で、チンパンジーを5回、ゴリラを3回直接観察し、ネストサイトや食痕などの遊動の痕跡とあわせ、かれらの生息地の利用状況を調べた。また、糞分析によってかれらが調査期間中に利用していた食物についてのデータを収集した。 

ムカラバでの野外調査のあと、オートオゴウエ州フランスビルにあるフランスビル国際医科学研究所を訪問した。野生生物の感染症対策を研究するPatricia Reed博士と面談し、ムカラバ国立公園における類人猿の生態と感染症との関連に関する研究への協力を依頼、快諾を得るとともに、ムカラバで今後実行可能な感染症対策についての議論し、多くの助言を得た。

渡航の詳細(申請者のウェブサイトより)


追跡中のチンパンジー。地上を移動しているところ。


チンパンジーの「木の葉のざぶとん」


ムカラバのゴリラが樹上でColaの実を採食しているところ。


フランスビル国際医科学研究所の感染症学セクション棟

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