事業報告

事業番号17-028

アジア霊長類学会議への参加とタイにおける哺乳類標本の検討

報告者:遠藤 秀紀

期間:2005年10月16日 〜 2005年10月22日

訪問先:バンコク チュラロンコン大学

タイ国チュラロンコン大学において開催される国際シンポジウム" International Symposium on Southeast Asian Primate Research"に参加し、東南アジア地域の哺乳類インベントリーの整備のためのネットワークを構築することが第一の理由である。また、カセサート大学とタイ国科学技術研究所、タイ国立自然史博物館において、現有の哺乳類標本、とくにインドシナ地域固有のツパイ類や齧歯類などの総合的収蔵体制を確認し、タイ国の標本収蔵システムに対して、助言と支援を行うことが目的である。また、インドシナ産ツパイ類、齧歯類の形態形質の検討を通じて、同地域の哺乳類の形態学的多様性を理論化するという研究面での成果を求めている。以上を実行するために派遣国タイでの研究が必要となっている

10月17日から20日までタイ・バンコクで行われる国際シンポジウム" International Symposium on Southeast Asian Primate Research"において、遺体科学とナチュラルヒストリーを発展させることを基盤に、タイ国の哺乳類収蔵体制の強化を訴えた。具体的には、タイ国科学技術研究所、タイ国国立科学博物館、チュラロンコン大学、カセサート大学に分散している自然史標本、とくに霊長類・哺乳類の標本収蔵の将来計画を評価した。その上で、同国の収蔵体制の未来像の構築を支援し、人的ネットワークの形成を開始している。 さらに、チュラロンコン大学、カセサート大学、タイ国科学技術研究所、タイ国立自然史博物館において、集積されている標本のうち、ツパイ類と齧歯類を抽出し、インドシナ地域全体に広がる系統群を用いて形態学的多様性の検討を進めた。咀嚼筋構築や中枢神経系などに関連した議論を、骨計測学的に推進した。これらの形態学的成果により、インドシナ全体の哺乳類相の解析に貢献し、たとえば霊長類相や食肉類相との総合的解析により、東南アジア地域の地誌における、新たなコンセプトの提示が可能となっている。


アジア霊長類シンポジウム


霊長類シンポジウムの遠藤

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