事業報告
事業番号17-012
霊長類、特に、ヒト、チンパンジー、マカクの脳形態・脳機能の種間比較についての研究発表と研究連絡
報告者:三上 章允
期間:2005年11月11日 〜
2005年11月24日
訪問先:(1)ワシントンDC、北米神経科学会(2)イギリス、ケンブリッジ市、ケンブリッジ大学マクドナルド考生物学研究所(3)ドイツ、ライプチク市、マックスプランク進化人類学研究所
(1)アメリカ合衆国、ワシントンDCで行われた北米神経科学会は北米のみでなく神経科学分野の世界各地からの研究者約3万人が集まる大きな会議である。この会議において研究成果を発表し関連研究者と交流することは研究成果を周知させる上でも将来の研究の発展の上でも重要である。この会議において、「チンパンジー脳形態の生後発達」について研究発表を行うとともに、関連情報の収集をおこなった。
(2)連合王国、ケンブリッジ市にあるケンブリッジ大学はすぐれた研究業績を持つ関連分野の研究者が複数おり、彼らとの研究成果の交流、研究手法についての討論は研究の将来の発展にとって意義深い。まず、ケンブリッジ大学マクドナルド考生物学研究所の松村俊一研究員を訪問し、「類人猿の進化」についての研究交流をおこなった。その後、解剖学研究室のウォルフラム・シュルツ教授を訪問し、「霊長類の報償系システム」とその研究手法について討議し意見交換を行った。
(3)ドイツ、ライプチク市にあるマックスプランク進化人類学研究所のウブリン教授は古人骨の頭骨の研究では活発の研究活動を展開しており、脳形態との関連で共同研究の可能性について検討することにより、将来の研究の広がりを期待できる。そこで、進化人類学研究所において、ジーン・ジャック・ウブリン教授と「チンパンジー脳のMRI計測」について研究交流をを行うとともに、日本側のデータを呈示して共同研究の可能性について討議した。また、マックスプランク・ヒト認知・脳機能研究所のティトゥメゲヤー博士はMRIの画像解析について新しいソフトを開発しているのでその成果を学ぶことは意義がある。ヒト認知・脳機能研究所において、マーク・ティトゥメゲヤー博士と「MRI画像処理の手法」についての研究打ち合わせを行った。さらに、進化人類学研究所が研究拠点のひとつとするライプチック動物園におけて類人猿の行動実験の状況を視察し意見交換を行った。
ワシントンDCで行われた北米神経科学会での研究発表の一場面
ケンブリッジ大学マクドナルド考生物学研究所と松村俊一研究員
マックスプランク・ヒト認知・脳機能研究所のMRI施設で説明するマーク・ティトゥメゲヤー博士と
それを聞くマックスプランク進化人類学研究所のジーン・ジャック・ウブリン教授
ライプチック動物園でチンパンジー用の遊具の説明をするスーザン・マウリッツ研究員
HOPE Project<>
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