事業報告
HOPE報告25号、2005年1月19日
事業番号25(共同研究)
タイ南部の狩猟採集民マニ族の遺跡から採集された動物骨の同定・計測
報告者:本郷 一美
期間:2004年 11月24日 - 12月23日
ドイツ・チュービンゲン大学先史学部による民族考古学的調査で、タイ南西部のマニ族のキャンプサイトであるサカイ洞窟から多量の霊長類を含む動物骨が採集された。これらの資料は現在チュービンゲン大学に保管されており、ドイツ国外への持ち出しが禁じられているため、チュービンゲンに滞在し資料の同定・計測をおこなった。
チュービンゲン大学先史学部動物考古学研究室にて、サカイ洞窟から出土した霊長類骨の整理、同定、計測をおこなった。霊長類骨は出土動物骨の約7割を占め、ラングール、ついでテナガザルが多く、少量のマカクが含まれていることがわかった。
ミュンヘン大学獣医学部獣医学史教室にて、Joris Peters教授と今後の共同研究に関する協議をおこなった。
マックス・プランク進化人類学研究所にて、Mike Richards教授、Jack Hublin教授と今後の共同研究の可能性に関する協議をおこなった。霊長類研究所のマカク骨格資料を用い、安定同位体比から食性に関する研究を行うことを計画し、今後の研究の進め方などを相談した。

出土動物骨
マニ族に関して http://www.andaman.org/book/chapter36/text36.htm
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