事業報告
HOPE報告2号、2004年6月4日
事業番号4(若手交流)
ドイツのマックスプランク進化人類学研究所の国際シンポジウム「類人猿と病気」出席と野生ボノボに関する研究連絡
報告者:橋本 千絵
期間:平成16年5月2日から5月11日
[橋本千絵、京都大学霊長類研究所社会生態研究部門・助手、派遣期間:2004年5月2日〜5月11日]
類人猿と病気に関する国際会議(Conference on: diseases - the third major threat for wild Great Apes?)が5月6日から5月9日まで、ライプチッヒ・マックスプランク進化人
類学研究所にて開催された。本会議は、現在大きな問題となっている、類人猿とヒトの間で感染が起こっている疾病について、その現状および対策について話し合う目的で開催された。
今回の会議では、家畜から国立公園内の野生動物に感染した狂犬病を撲滅するとりくみ、中央アフリカにおけるヒト−野生動物間のエボラ感染、病気によるコートジボアールにおけるチンパンジーの大量死、微量な資料から病気を判定する保法などについての発表がなされた。派遣者の論文は口頭発表として、派遣者が研究を行っているウガンダ共和国におけるヒト−類人猿間の疾病の感染の現状および、病気に感染したと思われるチンパンジーについての報告をおこなった。
また、会議最終日には、類人猿とヒトの間の病気感染を防ぐための対策として何ができるかについて話し合いが行われ、類人猿の健康をモニタリングする組織としてGAHMU(Great Apes Health Monitoring Unit)というネットワークを設立することが同意された。
国際会議参加と前後して、マックスプランク進化人類学研究所のLinda Vigilant博士およびJonas Eriksson氏と野生ボノボの研究について研究連絡をおこなった。また、オランダのアーネムにおいて、派遣者が野生ボノボの研究を行っているコンゴ民主共和国のワンバ地区における状況について、ミルヒル教会のFrans Kwik神父と研究連絡を行った。
(文責:橋本 千絵)
HOPE Project<hope@pri.kyoto-u.ac.jp>
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