事業報告

HOPE報告2号、2004年6月1日

事業番号2(若手交流)

類人猿の疾病とその対策についての情報交換

報告者:竹ノ下 祐二 京都大学大学院理学研究科・教務補佐員

期間:2004年5月6日 〜 5月10日

ドイツ、マックスプランク進化人類学研究所にて第1回大型類人猿の疾病および健康モニタリングに関する国際会議が開催された。

本会議では、特に人と共通の感染症が、大型類人猿にとって、ブッシュミート取り引きのための狩猟、森林伐採による生息地の減少および撹乱につぐ第3の脅威であると位置づけ、アフリカ、アジアの大型類人猿の調査地や保護区における疾病感染の状況と対策に関する情報交換が行われた。同時に、今後の大型類人猿の疾病対策について討論、提言を行った。

派遣者は、チンパンジーとゴリラの生息地であるガボン共和国、ムカラバ国立公園の現状について、議論を通じて情報提供を行った。

会議では、疾病が大型類人猿の個体群動態にあたえるインパクト、地域での疾病感染予防対策のありかた、大型類人猿の健康モニタリングの方法の3つの問題について、さまざまな調査地からの報告および提言がなされた。それをうけて、最終日に参加者が4つのワーキンググループにわかれ、それぞれ地域でのヒト類人猿間の疾病感染予防策、緊急活動プラン、類人猿の健康モニタリング方法、疾病感染の診断法について討論を行った。

最後に全体会議を行い、ワーキンググループの討論結果をさらに検討し、今後の活動方針を話し合った。その結果、会議の参加者によって大型類人猿健康モニタリングユニット(Great Ape Health Monitoring Unit: GAHMU)が設立され、今後も協力して疾病予防とモニタリングを行うことを確認した。


ポスター発表の様子(マックスプランク研究所、4階セミナールーム)

 


昼食の様子(マックスプランク4階セミナールーム)

 

(文責:竹ノ下 祐二)


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