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<北海道>ウマとサルの民俗アンケート調査の結果
北海道を対象に、ウマとサルの民俗アンケート調査を2008年5月に行いました。 こちらからの質問項目ごとにご回答いただいた結果を地図化してまとめてみました。該当する地域には赤色が塗られております。薄い青色の塗られている地域は、7月10日までにご返事がなかった支庁です。 [質問]ウマの健康と無病息災を願うための信仰や風習(おもに無形文化財)についてお聞きします。御地には、下記のような信仰や風習はありますか? あるいは、ありましたか?
1.そうぜんしん・ごそうぜんさま(蒼膳神、勝善、宗善、正善、想善、總前、宗前、惣前、勝先などとも書く)
5.ひえ・ひよし・さんのう・さんのうごんげん(日吉信仰・山王様)信仰
9.馬小屋に動物の頭や手が祀られてある(あった)。 その場合、動物の種類は何でしょうか。
大雑把な調査ではありましたが、今回、北海道にも馬頭観音信仰と庚申信仰が続いているということが確認できました。 これは日本全国に見られる傾向で、入植者が北海道に持ち込んだ後ずっと引き継がれたと考えられます。ウマにかかわった石塔、石碑などがある(あった)ようですが、これは馬頭観音と関係があり、本州から持ち込まれたのではないかと考えられます。東北地方に多く見られる蒼膳神(そうぜんしん)が北海道で見られないのは、興味深い結果でした。 ウマにかかわった神事、祭り・風習について1件回答がありましたが、それは、ウマに危害を加える熊を除ける信仰になっていたようです。文化の継承とその変容の一端を垣間見たようです。 厩猿(うまやざる)のように、馬小屋に何かウマを守るものが祀られていなかったのか、また、ウマとかかわった神社が存在していたが現代には伝わっていないのか、あるいはもともと存在していなかったのか、今後調査を続けていきたいところです。 |