コンゴ民主共和国赤道州を流れるルオー川の両側にひろがるボノボと霊長類のための保護区。川の北側に長年ボノボの調査が行われてきたワンバ地区があり、南側にはほとんど人の住んでいない広大な原生林が広がる。
当時のザイール共和国自然科学研究センターと日本人研究者グループが協力して、1990年に正式に発足した。長年にわたってボノボとの共存を維持してきた村人たちの生活と伝統を尊重するため、一般の国立公園のように村人を追い出すことはせず、家も畑もそのままに保護区に含め、これまでどおりの共存を側面から支援するという形の活動が進められた。
残念ながら、1996年以来続いている内戦でワンバの調査基地はすっかり破壊され、現在もいっさいの調査活動や保護活動が中止している。そこに住むボノボのためにも、ボノボの保護と研究の補助をライフワークにしてきた村人たちのためにも、一日も早い平和が待たれる。