ヒト以外の霊長類における思春期成長、特に長さサイズにおいて、加速の有無、加速の程度が注目されている。現在、チンパンジーとニホンザルの周思春期成長を縦断的に研究している。チンパンジーでは加速はなく、性成熟後に成長速度は急速に減速しはじめる。ニホンザルでは、成長の季節周期性に重ねて性成熟ごろに加速が見られる。また、脂肪蓄積などの体組成変化もDexa装置などを使って調査し、思春期加速の進化要因を考察している。
オナガザル上科;ニホンザル・スラウェシマカク・グエノン類・マンガベイ類などのフィールド調査を行い、形態学的変異の実態を検討している。地域変異パターンや亜種・種間変異などの比較分析から、コミュニケーション・ロコモーション・採食などの機能面での変異と形態学的変異の関連性を考察している。